怖いよね。 お母さんの手。 おはようございます、の挨拶。 雲の陰。 日常会話。 おれは口にする全ての言葉が怖い。 傷つける。あの子のこと。 そして傷つける、自分のこと。 こんな気を使って生きる世界が怖い。 だけどさ、君は怖くないってわかったよ。 「へなちょこ」 君の視線は痛い。真っ直ぐなんだ。 だけど、ひるみはしないよ。君はおれの知る何よりも優しい。 「何?」 君に言いたいことがある。 だけどそれは嫌いな言葉。 ありがとう有り難うさようならごめんなさい。 そしてバイバイ、何時かのおれ。