夢を見る。 ありきたりな街角で、君はコンビニの中。 ずっとスポーツ雑誌を読んでいる。 全部読み終わると外に出て、アスファルトにしゃがみこんだ。 その繰り返し。 彼は帰ろうとしない。 誰かを待っているようだが、誰も来ないのだ。 「渋谷」 「・・・村田」 「ねぇ、もう遅いよ。帰ろうよ」 「人を、待っているから。帰れないんだ」 「・・・君はそこまでして、誰を待っているの? 「・・・それは――」 そこで目は覚めた。 時計の五月蠅い音。鳥の怒鳴り声。誰かが家を出て行く音。 そして無音。 また寝てしまおうか。だけどまたそれも怖い気がする。 夢の続きはきっと、僕の望む結末を用意してはくれないだろう。 なんと不親切なことか。 「今は、起きるとしようかな」 明日はきっと、君の待っている人は違うって、そう思い込むことにするよ。 そして「戯言」は「夢想」に変わる。戻る