「こんにちは、友達のお兄さん」
そいつは突然、俺の部屋に入ってきた。
「おい、弟のお友達。ゆーちゃんの部屋はあっちだ。とっとと閉めろ」
「渋谷が帰ってくるまで話し相手くらいして下さいよ、友達のお兄さん。それともお邪魔でした?」
「ああ、大いに邪魔だね。大学生は休みでも忙しいんだ」
「そんな冷たいこと言わないでくださいよ。どうせギャルゲ三昧でしょ?」
『弟のお友達』は有無を言わさずに、人のベッドに腰掛ける。
「ところで、友達のお兄さん」
「何だ、弟のお友達」
「・・・あなたはいつまで、渋谷を守れます?」
「はぁ?いつまでって、ずっとだよ。弟のお友達」
「そうですか、なら良かった」
何が『良い』のかは告げず、『弟のお友達』はベッドから腰を上げた。
「でも、いつか限界は来ますよ。友達のお兄さん」
奴は不敵な微笑を浮かべて、開けっ放しのドアを閉めた。
弟が帰ってきたらしく、階段をのぼる足音が近づいてくる。
「まぁ、どうでもいいか。・・・『ゆーり』クリック」
カチャ。
今度はセーラー服バージョンだ。
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