Endless  life―後―





「おーい、コンラッドー!パス!パス!!」





 ぬっ!このお声はっ!!
 なんとっ、陛下は目と鼻の先におられるではないか!
 ぬぬっ…私のユーリ陛下ラヴラヴレーダーも衰えたのだろうか?
 気付かなかったなんて、このギュンター、一生の不覚。
 ユーリは"ぐろーぶ"と"ぼーる"で"やきゅう"を楽しんでいた。
 でも、コンラートと一緒。
 いかんいかん、しゅじょーにいかんんんnんnnんっ!!!


「へーいーかーああぁあぁぁあぁぁあぁっ!!!」


「何か誰かに呼ばれたような…ってギュンター!?」
 ああ、そんなにギュン汁垂らして。
「やばいよコンラッド!あれこの世のものじゃねぇよっ」
 地べたを這いずり回るように、ギュンターは
 超音速でユーリへと向かっていた。

 ターゲット、ロックオン。

「うわあぁっ、サダコだよサダコ!!井戸から…きっとくる〜♪って
 歌ってる場合じゃねぇしっ!!
 てことは俺死ぬの!?一週間後に死ぬのっ!?」
「あれ?サダコって分裂するんじゃありませんでしたっけ?」
 それはエージェント・スミスだって。
「サダコがグラサンかけて分裂…嫌すぎるっ」

「へーいーかーっ!!!」
 フォンクライスト卿「サダコ」ギュンターはとどまることを知らない。


「っそこまでだギュンターっ!!」


「ぬぬっ、わがままプーッ!!」
 ギュンターは向けられた剣先の直前で急ブレーキをかけた。
 恐れ多くもユーリ陛下の婚約者、ヴォルフラムだ。
「ヴォルフラムっ!!」
「ユーリっ!お前は僕がいないと本当にダメだなっ!だがっ、
 もう安心しろ。もの妄想族を今すぐ退治してやるっ」
「いや、それはいいんだけどさ…お前…っ」

 ネグリジェくらい着替えろよ。

 ていうかどっから来たワケっ!?
「ヴォルフラム、あなた…私と陛下の恋路を邪魔するつもりですかっ!」
「しつこいぞギュンターっ!ユーリは僕という婚約者がいるん
 じゃりっ!お前なんかと一緒にいたいはずがないっ!!」
 お前もじゃり。
「前から言おうと思っていましたが…今日こそ、どちらが陛下に
 相応しいか、決着をつける必要があるようですねっ!」
「望むところだ!もうじき150歳!!」
「何をー!!?」

 剣のうちあう音が聞こえるなー…と思いながら
 ユーリはただ2人を見て口を引きつらせた。

「陛下」
「…っなっ何?コンラッド」
「今のうちに」
 と言って、コンラートはユーリを伴い、庭を後にする。
 あ〜、もう少し投げたかったのに!
「なぁ、コンラッド」
「何でしょうか?陛下」
「陛下って呼ぶなよ名付け親っ」
「失礼しました、ユーリ。で?何ですか?」
「いや…あのさ」
 ユーリはこめかみを指先で掻いて、バツの悪そうな表情のまま言った。
「いつまでこんな生活続くんだろ?」
「嫌ですか?」
「や…っそうじゃなくて。もう少し落ち着いてほしーなー…と」
「でも、平和でいいじゃないですか」
「…ま…そっか」
 名付け親の一言で納得してしまう自分の素直さが憎い。
 次は強気でいかねば。


 王として。渋谷有利として。


 まだ後ろで、婚約者と教育係りが火花を散らし合っている。






 花の香りが、ツンと鼻腔を掠めた。
 緑が優しい5月。
 
 眞魔国は今日も平和だ。











何故か俺の両親、そして友人もギュンギュンが
好きです。…何故っっ?

剣を持つと別人のように格好いいのに…。

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